お知らせ

支援先について

投稿者:WDRAC 広報チーム

WDRAC(ワドラック)のアンサングヒーローズ① オレッグ・チェルノ

キーウで物資の仕分けや配達を1人で

 

「困難に陥った時こそ、よりタフになれるのさ」

そう話すのはウクライナの首都・キーウにいるオレッグ。

 

物資を運ぶオレッグ

 

自らの住む町が戦禍にさらされる中、市内の消防署や医療施設をはじめ、事情があって国外に逃れることが出来ない高齢者、子供を抱える女性などへ1人で物資を届けています。

 

2022年5月現在、ウクライナ国内に住んでいる18歳~60歳の健康なウクライナ人男性は、法律により、自国の外に出ることができません。

周りにいる同じような状況の人たちが武器をとって戦う中、彼は「困っている人を支援すること」を選びました。

 

オレッグから日々届く映像の中には、空襲を知らせるサイレンが鳴る街の中を歩いているものも。

日々の活動が危険と隣り合わせなのはわかったうえで、彼からの物資がないと生きていけない、という人たちのため、命を失うかもしれない厳しい状況の中でも動き続けています。

 

 

彼が運ぶ段ボールの中には、パスタやパン、トマトソースなどの食料品はもちろん、食器用洗剤やハンドソープ、クッキーなどのお菓子、赤ちゃん用の紙おむつや粉ミルク、車の整備用オイルなど、どれも生活に必要なものばかり。

実はキーウ市内のスーパーや小売店にはほとんど物資が売っておらず、特に生活必需品である砂糖や粉ミルクなどは枯渇していて、手に入れるのは非常に困難な状況です。

そんな中、彼は自身のネットワークから物資を調達して、1人きりで仕分けをし、愛車に乗って今日も市内各所に配達を行っています。

 

体は大きく、心は優しく。

 

もともとは車のディーラーで、日本車が大好きという親日家のオレッグ。

2022年5月現在、ウクライナ国内のほとんどの会社は営業を停止していて、彼は今収入がなく、ATMも使えないなど、不便な生活を送っているようです。

 

ある日のミーティングの際、彼が見せてくれたのは段ボールいっぱいの乾パン。

「争いが始まって2週間以上食べ物が届かないときがあった。またそういうことが起きても大丈夫なよう、こうやって自分で作って生き残るために取ってあるんだよ」
と話してくれました。

 

「極限状態が続いていてみんな疲れている」
といいつつも、
「それでも、実際に攻撃を受けている地域に比べ、僕たちがいるキーウは首都なので守られている。ほかの人たちはもっと大変だよ」
と話すなど、常に周りへの配慮を忘れない人物という印象。

 

卓球とバスケットをしていた経験があり、身長はなんと193㎝。

「すべてが落ち着いてそっちに行けるようになったら、一緒に卓球しようね」
という呼びかけに、笑顔で答えていました。