マニフェスト

私たちは、戦禍に巻き込まれた人をひとりの市民として支援する人たちを支えます。
「支援する人たちを支援すること」が私たちの目的です。

彼らは、大きな組織に属さず個人として行動し、草の根のネットワークやコミュニティと連携しながら支援活動を展開しています。
そして、豊かな資金や豊富な人材を抱えるわけではなく、現場での作業に忙殺されていて、「これをしてもらったら助かるのに」「お金があれば解決できるのに」という悩みや、「一体これからどうなってしまうんだろう」という不安を感じています。

しかし、彼らと同じようにひとりの市民として支援の後押しをすることができたらどうでしょう?
「支援する人たちを支援する」ことを通じて、苦しみ傷つき困難の最中にいる人たちの助けになることができるとしたら?
国・言語・文化・慣習・信仰を越えて、お互いに助け合い支え合うネットワークを世界中に広げられるとしたら、どんな世界を創り出すことができるでしょうか?

「自分には何もできることがない」と諦めたり、傷ついた人がいることをわかっていながら対岸の火事として横目で見るのではなく、「自分にもできることがある」と行動し、同じような気持ちでいる仲間たちと連帯することで、武力や暴力によって傷つけられたこの世界の調和とバランスを取り戻すことができます。

私たちが他と異なるのは、個人の意思が尊重されるフラットでオープンな組織で、少しずつ力を持ち寄り、支援活動をする人たちのニーズに応じた活動をするところです。
そして、また、特定の国家・思想・信仰に偏らず、何事にも柔軟に対応し、試行錯誤を歓迎し、常にユーモアと明るさを忘れません。

私たちは、どんな理由があれ、尊厳を奪われてはならず、武力と暴力ではなく対話を通じて問題を解決していかなければならないこと、また、ひとりの小さな力も連帯を通じて大きなエネルギーや希望を生み出すことを信じています。

そして、これらを通じて、私たちはChange everything with love(愛ですべてを変えること)を約束します。

行動指針(Code of Conduct)

  1. 私たちは、現地で支援活動に取り組む人たちと彼らが手を差し伸べる人たちのことを中心に考えます。ひとつのコミュニティとして安全と安心と平和を感じられる関係性を作っていかなくてはなりません。
  2. 私たちは、それぞれの人がもっているかけがえのない価値を尊重します。人種や国籍、性別や生まれついた社会的な背景、宗教や信条、 または何らかの障害を持っているかどうかによって左右されるものであってはなりません。
  3. 私たちは、人道4原則(人道・公平・独立・中立)に則ります。「人道支援の行動規範*1」をはじめとする、人道支援関連の諸基準*2に従って活動に取り組まなければなりません。
  4. 私たちは、特定の政党・思想・信仰に偏ることなく、常に透明性と公益性を追求します。どのような状況であっても情報公開と説明責任を果たさなければなりません。
  5. 私たちは人権・人道に関する*国際規範を支持し、尊重します。不明な事は常に自ら進んで学び、個人としての努力と集団としての協働を通じて支援活動の質を高めなければなりません。
国際条約、議定書および宣言
  • 世界人権宣言(1948)
  • 社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)(1966)
  • 自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)(1966)
  • 国際人道法(1949年のジュネーブ四条約および1977年の二つの追加議定書をはじめとする国際人道法規)
  • ジェノサイド条約(集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約)(1948、日本未加入)
  • 国際労働機関(ILO)「労働の基本原則および権利に関する宣言」(1998)
  • あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(人種差別撤廃条約)(1965)
  • 児童の権利に関する条約(こどもの権利条約)(1989)
  • 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約・同選択議定書(女性差別撤廃条約)(1979)
  • 難民の地位に関する条約(1951)・同議定書(1966)
  • 障害者の権利に関する条約(2006)
  • 宗教および信念に基づくあらゆる形態の不寛容および差別の撤廃に関する宣言(1981)
  • 発展の権利に関する宣言(1986)
  • 民族的または種族的、宗教的および言語的少数者に属する人々の権利に関する宣言(1992)
  • 先住民族の権利に関する宣言(2007)
民間の取り組み
  • 人道支援の質と説明責任に関する基準(CHS)(2014)
  • 災害救援における国際赤十字・赤新月運動および非政府組織(NGOs)のための行動規範(1994)
  • ISO26000(社会的責任に関する手引き)(2010)
(参考:認定NPO法人 難民を助ける会)