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ABW支援活動同行記
投稿者:WDRAC 広報チーム
【Day.1】6/13 羽田ーロンドンーメディカ
5時、アラームで目が醒める。
羽田を発つ8時50分のBA0008便。
出国手続きに時間がかかることが予想されるので、早めに家を出る。
早朝の井の頭線も山手線も空いているけれど、京急線はやや混雑している。
羽田空港もやや混雑している。
保安検査場の通過に時間がかかることを予測していたけれど、ブリティッシュエアのアプリで事前に済ませていたし必要最低限の装備だったので10分とかからず。
搭乗ゲート近くのベンチに座ってパソコンを開く。予定通りことが進んでいることをSimonたちに伝える。
Simon Massey、1975年生まれの48歳。
ロンドンから北に200kmほどのスリーフォード在住で、フリーのプロジェクトマネージャーを生業にしている。2022年の2月の終わり、ロシアによるウクライナの侵攻が始まってすぐ、彼は車でポーランドの国境の街、メディカを目指す。
そのまま1年3ヶ月、メディカに拠点を設け複数のNGOと連携しカリフォルニアにActions Beyond Wordsを登記設立し、食料品や医薬品をウクライナ国内の難民・避難民に届け続けている。
Sally Massey、彼女はスリーフォードで小学校の教員をしていてSimonのパートナーでもある。Simonが現場で動くための後方支援と、寄付を募る活動に邁進している。
Travis Goodeはカリフォルニア州に暮らす舞台監督。Young Americansという非営利団体で、ディレクターの仕事を長らく続けて現在はフリーランス。日本に滞在した総日数は800日を超えるとのこと。
今回のウクライナ訪問は、年明けの2023年1月から計画が始まった。様々なリスクを彼らの協力によって減らすことができた。
ヒースローに着いてからの動きをチャットでやりとりし、仕事のメールを返信するうちにあっという間に搭乗時間。
直行便で片道15時間の旅。
ヨーロッパと日本の時差はおおよそ8時間。時差ボケを最小限に留めるために、搭乗後にすぐさま眠る。身体は疲れていたし、ここ数日の出来事で寝不足が続いていたため、あっというまに眠りに落ちる。
30分遅れでヒースロー空港に到着。Simonと合流する。1年以上、動画と音声とテキストのコミュニケーションで、対面は初めて。
ヒースロー空港からUberでスタンステッド空港に移動、ポーランドのジェシュフ空港に発つ予定が、30分遅れの到着とフリーウェイの事故渋滞の影響で予定通りのフライトには間に合わなくなった。
急遽フライトを変更、ガトウィック空港に向かいクラクフ空港へ飛ぶことに。移動の車内ではこれまでのこと、今回のミッション、お互いの家族のことでおしゃべりが弾む。
ガトウィック空港に着き、保安ゲートを通過、30分ほど時間があるのでカフェで一服。カフェラテとサンドウィッチ。
ガトウィックからクラクフまでは約2時間ほどのフライト。WIZZはハンガリーの格安航空会社で、見回す限り機内にアジア人は僕だけ。東欧人が多く、飛び交う言葉もわからない。
お互いに旅慣れていることもあって、チケットカウンターから保安ゲート、搭乗ゲートから搭乗機までスムーズに移動。
やがて英語で機内アナウンスが流れ、離陸が30分遅れるとのこと。
2時間ほどのフライトでクラクフに着陸。
現地時間で24時近くだが、フライトに合わせた送迎の車で賑わっていた。
気温は13℃、肌寒い。
ここでもUberを呼ぶ。
予約・精算・ピックアップがアプリひとつで済むのは大変便利。
先にジェシュフ空港に着いたTravisは、タクシーでメディカの拠点に移動。ABWのバンに乗り換えてメディカからクラクフに降り立った僕たちを迎えに移動。
Travisと連絡を取り合いながら、E40(国道)沿いの洗車場で落ち合う。
26時のおじさんたちのテンションはちょっと変。
E40を東に向かう。
明日からの計画を話し合う。
深夜3時、メディカの拠点に到着。
WDRACで寄付を募り、倉庫に上下水道を通しトイレ・シャワー・キッチン・エアコン・洗濯機・インターネット回線を増設、二段ベッドが6台の拠点。
通称「84 eighty four」は倉庫街の一角。
国境までは200mの場所だ。
すぐそばの線路は、夜中でも頻繁に貨物列車が通過する。
当初は元気の良かったおじさんたちも、長旅の疲れは隠せない。
それぞれがいそいそと寝る支度をする。
Cassa De Medykaには鉄の掟がある。
シーツ・布団カバー・枕カバー無しにはベッドを使ってはならないのだ。
窓もなく換気も良くないので、清潔を維持するのは大事なこと。
こうしてDay.1は移動に終始し、いくらかの計画外はあったけれどもそれらも想定内。
慌てることなく淡々とメディカに入ることができた。
ベッドに入る前、Travisが小さな箱を示してこう言った。
「えー、あきらくん。実は僕もSimonも、いびきがすごいらしいんだ。眠れない人もいるらしい。というわけで、困ったらこれを使ってくれたまえ。」と耳栓を渡してくれた。
深夜3時30分、ベッドに入って早々にいびきが聞こえてくる。
長旅で疲れていたこともあって気にならず、僕もあっという間に眠りに落ちた。