お知らせ

アドベントカレンダー

投稿者:松本 潤二

人それぞれに想いを込めて

はじめに

この記事は、2023年12月25日クリスマスのWDRACアドベントカレンダー用の記事です。
2023年のアドベントカレンダーの最後となるこの記事は、WDRACスタッフの松本が書いています。そして今回のWDRACアドベントカレンダー企画の言い出しっぺでです。
WDRACアドベントカレンダー2023 

ひとりひとり

「人それぞれに自分の物語を生きている」これは、私にとってとても大切にしている言葉です。
自分自身を楽にしてくれる言葉でもあり、とても難しいと感じてしまう言葉でもあります。

昨日のアキラが書いたアドベントカレンダーの投稿でChatGPT4が返答してくれた回答に、「共感と理解」がありました。
そして、戦争がなぜ起こるのかについての解説もありました。国家や民族とまで大きな話でなくても、友達や恋人、家族や親族の間でもいざこざは常に起こっているものです。

自分以外の誰か、同じ事象を目の前にしても、同じ様に長く時を過ごしてきたとしても、人それぞれに感じ方もその時々の選択も異なります。
私の妻は数年前から比較的重めの病気を抱えていますが、治療方針にしても日歩の暮らしや今後の事についても大きく乖離していることがたくさんあります。
病気が見つかった当初は、貴方にこうして欲しいという気持ちが強く、治療方針などで大きく揉めたのを昨日の様に覚えています。良かれと思っての言葉も相手に届くことはありませんでした。今は、その違いを受け入れつつ一つの境地に立って関係性を保っています。

「人それぞれに自分の物語を生きている」

この言葉は、コーチのトレーニングや勉強をしている際に、ナラティブアプローチという医療や臨床心理あたりの考え方として学んだものです。正しい知識としてではなく私の理解の範囲ですが、患者さんが自分自身の物語(ナラティブ)を語ることで心理的な何かの原因や、会話の中で向かいたいと願う方向がそこにリアルに立ち現れてくるといった感じです。

この辺りの話を受けて、「人はそれぞれに自分の物語を生きている」とさらに考えて、自分は自分の物語の主人公としてその物語を紡いで生きていて、他者は他者の物語の主人公としてその物語を生きているという事になります。

人と人が関わるときに、自分を主人公とた物語の登場人物の一人として相手がそこに出演していると、双方が双方の物語として交わっているだけというふうに考えます。
相手を自分の思う様にはコントロールできず、交わったところで双方の物語が影響を受け合い絶妙なバランスで、関連する物語が紡ぎ出されていくという事になります。

想いを込めて

貴方の病気が治るように、自分が考えるベストの選択は、貴方の物語においてベストではない。相手への想いを込めて発する言葉や行動の多くは、決して相手の望むものではないかもしれない。逆に相手を困らせ傷つけてしまうものになるかもしれない。自分の愛する人を守るために別の誰かを傷つけることをしているかもしれない、自分にとっての正義は相手にとっての正義とは限らない。戦争の発端はそんな些細な出来事に由来しているのかもしれない。

数年前から、クリスマスにボラサンタと称して知人とホームレスの方に食事とプレゼントを配っている。偽善と言われるかもしれないと彼は言う。自己満足だよねって自分も返す。そうだったとしてもちゃんと意味があるよねって。
でもそこには、ありがとうと喜んでくれる方も多くいる、まだもらってないからと二つ目を求める方もいる、施しを受ける気はないという方もいる。想像の話ではなくて、実際に行動してみて彼らと会って会話してわかることがある。自分も知人も寒空の中で眠る彼らも、それぞれに自分の物語の主人公としてそこにいるんだなって。

ヒトデの物語

WDRACで大事にしてる在り方、ヒトデの物語。そんなことをしても無駄だという考えを押し付けられるでもなく、これが大事だからお前もやるべきだと押し付けることもなく、淡々とヒトデを海に返す少年。できること、やりたいこと、できる範囲で無理なく、WDRACではそんな活動をしています。そして、一緒に活動してくれる仲間を募集しています。活動はできずとも、資金面で寄付してくれる方を募集しています。これからまだまだ長く活動をしていく予定です。マンスリーサポーターとして無理のない範囲で継続して支援いただけないでしょうか。よろしくお願いします。